「カッコつけるなよ」
たった一言が、私の人生を変えました。
セミナー講師として活動していたある時期、私は「できる自分」を演じていました。
でも実際は、知識も実績も中途半端。なのに虚勢を張り、理想の自分像にしがみついていたのです。
この記事では、私が“プライドという名の牢獄”から抜け出し、本来の自分に還っていくまでの道のりをお話しします。
もしあなたが今、自分に自信が持てなかったり、人と比べて苦しかったりしているなら──その苦しさの出口がここにあるかもしれません。
「カッコつけるな!」― 友人の一言が突き刺さった日
当時の私は、理想のセミナー講師を演じていました。
どんな質問にも的確に答え、参加者を飽きさせないように振る舞い、価値を提供し続ける完璧な存在。
……そんな“妄想の自分”を必死に生きていたのです。
「カッコつけるなよ。もがいてる小島さんの方が、ずっと魅力的だよ」
「そんなつもりはない」という驚きと、深い恥ずかしさが押し寄せました。
さらには「育てた親を見てみたい」と言われ、カチンときたのも事実です。
でも今では、あの言葉は私の“殻”を壊してくれた贈り物だったと思っています。
神社で吐き出した本音の日々
それから私は、毎日のように神社を訪れるようになりました。
人に話すと広まってしまうような弱音も、神社では安心して吐き出せました。
「今日もまた叱られました。どうか見守ってください」
「ご先祖様、いつも生かしてくれてありがとうございます」
星空の下で祈りながら、自分の“弱さ”に正直になっていく時間。
それは私にとって、心のデトックスのようなものでした。
理想像との戦いと、聴覚障害という現実
私には聴覚障害があります。
でも人前に立つときには、それを隠していました。
「聞き取れなかったらどうしよう」
「変な回答をしたらどうしよう」
「納得してもらえなかったら…」
理想像とのギャップ。そこからくる保身や恐れが、私をさらに苦しめていました。
転機:「媒体のピエロでいい」という気づき
ある朝、ウォーキング中の参拝でふと気づいたのです。
「もう、媒体のピエロでいいじゃないか」
自分が光る必要はない。大事なのは、矢印のエネルギーを「相手に向ける」こと。
その瞬間、不思議と人前で話す怖さがなくなりました。
私は“完璧な講師”でなくてもいい。
ただ、相手と共鳴できる“媒体”になれたら、それでいいのです。
変わっていった現実
それから私は、不器用ながらも参加者に寄り添うように話しました。
「小島さんで安心しました」
「また会いたいです」
そんな声が少しずつ届くようになり、自分を大きく見せる必要がなくなりました。
日常で使える3つの知恵
1. できること・できないことを正直に伝える
曖昧にしてごまかすと、結局は相手に迷惑をかけてしまいます。正直さは信頼につながります。
2. 弱さを最初に見せておく
「完璧な自分」を見せようとすると、後から下げるのが大変です。最初にハードルを下げておくと、すごく楽です。
3. 妄想の理想像と今の自分を比較しない
比較は自律神経を乱し、体調や人間関係に悪影響を与えます。今この瞬間の自分で十分だと、自分に言い聞かせましょう。
あなたへ贈る言葉
もし今、あなたがプライドや理想像に苦しんでいるなら、こう伝えたいです。
「そのプライド、もう手放してもいいよ」
「完璧じゃないあなたで、十分素敵だよ」
自分の弱さを認めたとき、本当の強さが宿ります。
弱音を吐ける場所があること、それがあなたの力になります。
終わりに
完璧な自分を演じる必要はありません。
もがきながらでも、立ち止まりながらでも、あなたらしく生きていいんです。
もしこの記事があなたの心に少しでも触れたなら、
それは私たちが、ただ周波数の違う“同じ素粒子”だからなのかもしれません。
一緒に、もっと楽な生き方を見つけていきましょう。
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