サプリメントの賦形剤に潜む健康リスクとは?【代表成分と安全な選び方】

サプリメントに含まれる「賦形剤(ふけいざい)」は、錠剤やカプセルの形を整えるために必要とされる一方で、体にとっては“必要のない添加物”です。特に毎日摂取する人や複数のサプリを併用している方は、知らずにリスクを抱えているかもしれません。

この記事では、賦形剤がもたらす主な健康リスクと、避けたい代表的な成分一覧、そして安全なサプリの選び方まで詳しくご紹介します。

賦形剤による主な健康リスク

1. アレルギーや過敏症

乳糖、大豆由来成分、人工甘味料などは、皮膚のかゆみ・じんましん・アナフィラキシーを引き起こすことがあります。

出典ELLE JAPAN

2. 消化器系の不調

ソルビトールやマルチトールなどの糖アルコールは、下痢、腹部膨満、吸収不良の原因になります。

出典FullscriptMainichi Health

3. 皮膚症状の悪化

体内からの排泄がうまくいかない場合、アトピー性皮膚炎などの症状が悪化するケースもあります。

出典笹塚診療所コラム

4. 代謝・神経への影響

アスパルテームやプロピレングリコールなどの成分は、**代謝異常や神経系の問題(例:フェニルケトン尿症、小児)**と関連があるとされています。

出典MethylPro公式ブログ

5. 薬との相互作用

一部の賦形剤は、医薬品の吸収率や効果に影響を与える可能性があります。

出典Harvard Health

6. “隠れたかさ増し”問題

粗悪な製品では、有効成分よりも賦形剤の方が多いケースがあり、見た目だけ整えられた“なんちゃってサプリ”になっている場合も。

出典Doctors-Gym

よく使われる賦形剤と注意すべき成分一覧

以下は、サプリメントに頻繁に使用される代表的な賦形剤と、それぞれのリスクの概要です。

乳糖(Lactose):乳糖不耐症やアレルギーの原因に。

結晶セルロース(Microcrystalline Cellulose):腸で膨張し、便秘やガスの原因に。

デキストリン・でんぷん(Dextrin / Starch):アレルギー体質の方は要注意。

二酸化ケイ素(Silicon Dioxide):過剰摂取で肝臓・腎臓に負担の可能性。

ステアリン酸マグネシウム(Magnesium Stearate):免疫や腸内細菌への影響。

ヒドロキシプロピルセルロース(HPC):過剰摂取で腸への負担。

還元麦芽糖(マルチトール)・ソルビトール:糖アルコール。下痢や腹部不快感の原因に。

カラギーナン(Carrageenan):腸粘膜の炎症やIBS悪化のリスク。

プロピレングリコール(Propylene Glycol):神経・心臓・消化器系への影響。

アスパルテーム(Aspartame):PKU(フェニルケトン尿症)の方には禁忌。

タルク(Talc):アスベスト混入リスクがまれに報告されている。

レシチン(Lecithin):大豆由来でアレルギーの可能性。

ポリエチレングリコール(PEG)・ポリソルベート80:アレルギーや腸への負担が報告されている。

出典リンク一覧

Fullscript – Excipients Guide

PubMed – Hidden Dangers of Excipients

Harvard Health

MethylPro Blog

Metabolic Support UK

NIH Dietary Supplement Fact Sheets

ELLE JAPAN 記事

ナチュラルハウス:サプリの添加物

農水省FAMIC:賦形剤一覧

Doctors-Gym:医食同源の視点から

笹塚診療所:賦形剤の注意点

安全なサプリメントの選び方

「その他の成分(Other Ingredients)」欄も必ずチェック。

できる限り無添加・低添加の製品を選ぶ。

複数のサプリを併用している場合、添加物の総量にも注意

持病・アレルギー体質の方は、事前に医師・薬剤師に相談。

本当に効くサプリは、「中身」だけでなく「中身を包むもの」も大切です。

健康志向のあなたこそ、見えない部分にも目を向けてみましょう。

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この記事を書いた人

帝京大学大学院薬学研究科卒業(生物有機化学専攻)。薬剤師として20年以上、総合病院門前薬局や在宅医療に従事。東洋医学、脳機能学、量子医療を学び、2024年7月より神宮前統合医療クリニックにて精密栄養カウンセラーとして活動開始。血液・遺伝子・ウェアラブルデータを活用し、薬・サプリ・食事を統合した個別最適な健康アプローチを提供。各分野のスペシャリストと連携し、科学と伝統医学を融合させ、一人ひとりに最適な健康を導くことに尽力している。

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