サプリメントの中には、味や香りを良くする目的で「香料」が添加されている製品があります。しかし一部の香料成分は、アレルギーやホルモン撹乱、神経毒性などのリスクを持つことが指摘されています。本記事では、香料による主な健康リスクと代表的な成分、選び方の注意点を解説します。
香料による主な健康リスク
1. アレルギー反応・皮膚トラブル
香料は、アレルギー性接触皮膚炎、喘息、鼻炎、かゆみなどを引き起こすことがあります。特にラベンダー油やベンズアルデヒドは皮膚感作性が高く、敏感な方には注意が必要です。
2. 変異原性・発がん性
クマリン、ベンズアルデヒド、リモネン、アリルイソバレレートなどは、動物実験でDNA損傷や発がん性が報告されています。
▶︎ 香料が体に与える影響とは?(ほたるの里のお洗濯屋さん)
3. 内分泌かく乱作用(環境ホルモン)
合成ムスクやフタル酸エステル類は、ホルモンバランスを乱す作用があり、生殖機能や胎児の発育に影響を及ぼす可能性があります。
▶︎ Synthetic Musks May Encourage Toxic Bioaccumulation – PMC
4. 神経毒性・認知機能への影響
一部の合成香料は神経伝達物質に影響を与え、片頭痛や倦怠感、認知機能低下のリスクを高める可能性があります。
▶︎ Biological Effects of Some Synthetic Flavoring Agents(PDF)
5. 環境・体内への蓄積性
合成ムスクなどの成分は分解されにくく、母乳や脂肪組織に蓄積することが報告されています。長期的な毒性の蓄積が懸念されます。
▶︎ Synthetic Musks May Encourage Toxic Bioaccumulation – EHP PDF
代表的な香料成分とそのリスク
- 合成ムスク(HHCB, AHTN, ガラクソリド):内分泌かく乱、神経毒性、環境・体内蓄積
▶︎ 詳細リンク - クマリン(Coumarin):変異原性、マウスでの肝がん報告あり
▶︎ 参考リンク - ベンズアルデヒド(Benzaldehyde):皮膚刺激、変異原性、呼吸器障害
▶︎ Natural flavoring agents – IJPCA - リモネン(Limonene):酸化物がアレルゲン化、腎臓毒性のリスク
▶︎ Flavoring Agents | DrugBank Online - アリルイソバレレート(Allyl isovalerate):白血病・リンパ腫誘発の報告あり(動物実験)
▶︎ Mechanisms of toxicity – PubMed - フタル酸エステル(Phthalates):強い内分泌かく乱性、特に胎児・乳児に影響
▶︎ Flavoring Agent Overview | ScienceDirect - ラベンダー油(Lavender oil):アレルギー性皮膚炎の陽性率が高いと報告
▶︎ 香料は体に悪い? – ファスティングラボ
表示に関する注意点
サプリメントや健康食品のラベルには、「香料」「ナチュラルフレーバー」「天然香料」といった包括表示が使われることが多く、個別の成分が明記されていない場合が一般的です。
▶︎ Flavoring Agent – ScienceDirect Topics
まとめ:香料リスクへの対策とは?
香料にはアレルギーや内分泌かく乱、神経毒性、発がん性、そして環境負荷など、見えにくいリスクが潜んでいます。特に合成ムスクやフタル酸エステル類は体に蓄積されやすいため、「無香料」「香料不使用」の製品を選ぶことが安心への第一歩です。
健康意識の高い方は、表示や成分に注意し、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
コメント