黄帝内経・五匱真言論篇|五行・五臓・五味・五官・五情の統合的理解

「病はどこから来るのか?」
東洋医学の原典『黄帝内経』の中でも、特に精緻な五行理論が展開される章が「五匱真言論篇(ごきしんごんろんへん)」です。ここでは、五臓・五官・五味・五色・五音など、人間の内外に存在する「五」にまつわる要素が統合的に説明されています。


目次

◆ 黄帝と岐伯の対話から始まる

黄帝が問う:
「五匱(=五臓の本質)と自然界の導き(四導)はどのように関わるのか?」

岐伯が答える:
たとえば、精神が錯乱し癫(てん)のような症状が出る病は“青色”を呈し、肝が関係している。肝は目に開き、筋に影響し、酸味に属し、五行では「木」、動物は「馬」、穀物では「麦」に対応する。


◆ 五行と人間の臓器との対応

五行五臓五官五味五色五音臭い動物穀物病の部位
8臊(あぶら)
7焦(こげ)黍(きび)血脈
5粟(あわ)肌肉
9腥(なまぐさ)皮毛
耳・二陰6

◆ 真の治療者とは?

岐伯はこう続けます。
「脈診を行う者は、五匱と六腑の動静、陰陽・表裏・雌雄・内外・四時の変化を見極めなければならない。心から誠意をもって学ぶ者でなければ、この真理を授けてはならない。真に理解する者にのみ、“道”を伝えるべきなのだ。」


◆ 用語の補足

  • 五匱:五臓それぞれの本質的性質・傾向の総称
  • 四導:季節や方角など、自然界のエネルギーの導き
  • 五音:古代の音階(角・徵・宮・商・羽)
  • 脈診:脈の変化から体のバランスや臓器の状態を診断する方法
  • 精:腎に宿る生命エネルギーの源

◆ まとめ|五行が教えてくれる身体の地図

『五匱真言論篇』は、五行の理論に基づき、五臓と感覚・味・色・音・動物・穀物などを結びつけ、人体の状態を包括的に理解するためのマップのような役割を果たしています。

この理論は、現代においても東洋医学・漢方・経絡治療・食養生の根幹を成しており、感覚的な体調の変化を読み解くための“共通言語”として機能します。

あなたの今日の不調は、どの五臓・五行にサインを送っていると思いますか?

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この記事を書いた人

帝京大学大学院薬学研究科卒業(生物有機化学専攻)。薬剤師として20年以上、総合病院門前薬局や在宅医療に従事。東洋医学、脳機能学、量子医療を学び、2024年7月より神宮前統合医療クリニックにて精密栄養カウンセラーとして活動開始。血液・遺伝子・ウェアラブルデータを活用し、薬・サプリ・食事を統合した個別最適な健康アプローチを提供。各分野のスペシャリストと連携し、科学と伝統医学を融合させ、一人ひとりに最適な健康を導くことに尽力している。

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