【精密栄養 × ウェアラブル解析】心拍変動(HRV)と自律神経をめぐる実験記録と理論解説

「なんだか疲れてる」「なんか集中できない」──その“なんとなく”を、数字で読み解けたらどうでしょう?

Apple Watch Ultra 2 でHRV(心拍変動)を測定するようになってから、私は日常の見えなかった“緊張状態”を明確に捉えるようになりました。自律神経の状態をリアルタイムに測ることで、心と身体の反応パターンが浮かび上がってきたのです。


心拍変動(HRV)とは何か?

HRV(Heart Rate Variability)は、心臓の拍動と拍動の間隔(R-R間隔)の揺らぎを意味します。心臓はメトロノームのように正確に打っているように思われがちですが、実際には交感神経と副交感神経のバランスによって、拍動のリズムが常に変動しています。

  • 交感神経:緊張・活動モード(HRVが低下)
  • 副交感神経:リラックス・休息モード(HRVが上昇)

つまり、HRVが高い=リラックスできている。HRVが低い=ストレス状態にある、という指標になります。


小島の人体実験①:HRVを測り続けて見えた「体の癖」

2024年3月。神宮前統合医療クリニックでウェアラブル解析サービスの導入前に、自らApple Watch Ultra 2を購入して毎日HRVを測定しはじめました。

東洋医学の先生から「あなたは遺伝的に過緊張体質」と指摘されていた通り、通常時でもHRVは20前後。特にクレーム対応や会議中など、精神的ストレスがかかった瞬間にはHRVが19以下に落ち込むことが多く見られました。

一方で、瞑想や休日に読書している時間帯では、HRVが60〜70台に上昇。ここで、自分が「どんな時間で心が緩むのか」を明確に理解するきっかけになりました。

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私も実際に使用しているウェアラブルデバイス。心拍変動(HRV)を日常的に記録し、自律神経のバランスやストレス状態を“見える化”するのに非常に役立っています。


小島の人体実験②:意識の使い方でHRVは変わる

興味深かったのは、同じ“ストレス状況”でも意識の持ち方でHRVに差が出ることです。

クレーム対応の際、「責められている」と感じていた時はHRVが急降下。しかし、「学びの機会」と捉えて対話してみると、HRVの低下は最小限に抑えられたのです。

この体験から私は「HRVは心の在り方の鏡」だと実感しました。


小島の体感的HRV指標

HRV(SDNN)値体感レベル
19以下明確な過緊張状態
20〜29やや緊張状態
60〜70リラックス状態

精密栄養学の視点:HRVと自律神経のバイオマーカーとしての価値

精密栄養学では、HRVを「状態変化に最も即時に反応するバイオマーカー」として位置づけています。

  • Just-in-time Nutrition:その日のHRVやストレス状態に応じた食事・サプリメントの提案
  • 自律神経の傾向を可視化し、体調不良や不眠、ホルモン不調の“予兆”として活用

これは筋反射やキネシオロジーで得られていた体感レベルの情報を、客観データとして再現できる可能性を示しており、現場では極めて有効です。


なぜHRVが重要なのか?──科学的背景の要点

  • HRVが高い:副交感神経優位、ストレス耐性が高い、健康的な状態
  • HRVが低い:交感神経優位、疲労・ストレス・心疾患リスク上昇

Apple Watch Ultra 2を含むウェアラブル端末では主にSDNNという指標でHRVを測定しますが、これは自律神経全体のバランスを評価するのに適しています。

📌 関連記事・論文リンク(参考文献)は以下にまとめています。
▶ HRVと自律神経に関する科学文献(J-STAGE)


まとめ:自分のバランス感覚を“数値化”して再発見する

自分が本当にリラックスしている時間は?
日常でどんな時に緊張しているのか?
そして、そのパターンをどう変えていけるのか?

心拍変動というシンプルな数字の中に、私たちの意識・習慣・生き方の全てが映し出されています。

「感覚」×「科学」×「テクノロジー」
この3つを統合して、自律神経から未来の健康を設計していく──
それが、私が考える“これからのヘルスケア”です。


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この記事を書いた人

帝京大学大学院薬学研究科卒業(生物有機化学専攻)。薬剤師として20年以上、総合病院門前薬局や在宅医療に従事。東洋医学、脳機能学、量子医療を学び、2024年7月より神宮前統合医療クリニックにて精密栄養カウンセラーとして活動開始。血液・遺伝子・ウェアラブルデータを活用し、薬・サプリ・食事を統合した個別最適な健康アプローチを提供。各分野のスペシャリストと連携し、科学と伝統医学を融合させ、一人ひとりに最適な健康を導くことに尽力している。

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