フィードバック医療「治す」ではなく「共に観察する」医療へ

医療の本質は、診断や投薬の「一回きり」で終わりません。観察→フィードバック→再設計という循環を、患者と医療者が共に回すこと。それが私の提案する「フィードバック医療」です。

  • 原因ではなく結果だけを追う医療に違和感。薬は本来、増えるのではなく減っていくはず。
  • 予防医療にも「フォロー不足」という課題。必要なのは観察→フィードバック→再設計の循環。
  • 依存から自立へ。自分の体を自分で観察、判断できる人を増やすことが目標。

目次

  1. なぜ、疑問を持ち続けたのか
  2. 予防医療の現場で見たもう一つの課題
  3. フィードバック医療という道
  4. 依存から自立へ
  5. 私の意思(石)

目次

なぜ、疑問を持ち続けたのか

20年以上、薬剤師として医療現場に立ち続けてきました。ずっと胸の奥で消えなかった疑問があります。
「なぜ、病院では病気の『原因』ではなく『結果』ばかりを追うのか?」

多くの患者さんは、薬をもらって症状が落ち着くと安心して帰ります。しかし通院を続けるうちに、薬の数は増える一方。本来は減っていくはずの薬が、増えていく。やがて副作用(医原病)による心疾患などで命を落とすケースも少なくありません。

私が子どものころ信じていた「病院は病気を治す場所」という前提は、現実とかけ離れていました。新人時代からの違和感は消えず、私を次のステージへと導きました。


予防医療の現場で見たもう一つの課題

「病気になる前に防ぐ」ため、私は未病、予防医療の世界へ足を踏み入れました。ところが、そこにも別の問題がありました。

フォローがないのです。

高額な自費検査や最先端の機器を使っても、結果の解釈や原因の特定、フォローアップが伴わない。患者さんは情報の海に投げ出され、迷い、また別の医療へ流れていく。

そこで確信しました。医療に欠けているのは「一回きりの診断」ではなく、「観察→フィードバック→再設計」という循環型の医療だと。


フィードバック医療という道

1回の診察で完璧に原因を突き止められる医師は、もはや「神」に近い存在です。現実には、対話を重ね、反応を見ながら仮説を立て、修正していくプロセスが必要です。それこそが本来の医療の姿だと考えます。

私はこれを「フィードバック医療」と呼びます。ただし課題は、手間と時間がかかること。一人ひとりに丁寧に対応すれば、ビジネスとしては成り立ちにくい。だからこそ、ネットやAI、人の協働による新しい支援の形を模索しています。

フィードバック医療の骨子

What(何を観察するか): 症状だけでなく、生活リズム、水分、食事、睡眠、ストレス、環境変化などの文脈を記録する。

Why(なぜ起きたか): 時系列で因果を仮説化。増悪、寛解のトリガーを洗い出し、優先度をつける。

When(いつ見直すか): 一定周期で観察→フィードバック→再設計。短期は週次、長期は月次、季節単位で見直す。


依存から自立へ

医療知識がないままでは、医師や医療従事者の指示に依存しやすくなります。しかし、自分の体を一番よく観察できるのは自分自身です。だからこそ、知識を身につけ、日々の変化に応じて「観察、分析、判断、行動」できる自立人材を増やしたいと考えています。

理想論だと言われるかもしれません。それでも、時間をかけて育てることが私の役割です。

今日からできる自立のミニ手順

観察:起床時刻、睡眠時間、体温感、むくみ、食事内容、気分を簡潔にメモ。

分析:不調日の共通点(前日の就寝時刻、塩分、ストレス、運動量など)を丸で囲む。

判断:次の7日間に試す小さな変更を1つだけ決める。

行動:1週間後に効果判定。効いたら継続、効かなければ別の仮説へ。


私の意思(石)

私は医師ではありません。それでも、臨床家、観察者として、いま目の前の一人に誠実に向き合います。完璧を求めず、できることから始める。一人の行動が社会に小さな波を起こし、その波がやがて大きな変化につながることを信じています。

私は今日も、社会に意志(石)を投げ続けます。たとえその波が小さくても、確かに広がっていくと信じて。


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この記事を書いた人

小島 義教

薬剤師/中西医統合実践家

薬剤師として20年以上、総合病院前の薬局や在宅医療の現場で、多くの方の健康相談に関わってきました。

自身が薬剤性肝障害を経験したことをきっかけに、健康法を増やす前に、まず今の身体で何が起きているのかを整理する「体質整理」という考え方を大切にしています。

現在は文海先生とともに、血液データ、生活背景、睡眠、食事、便や尿などの日々の身体の反応を重ねながら、身体を一つの症状だけで決めないための中西医統合の視点を発信しています。

このブログでは、薬剤師としての知識だけでなく、自分自身の体質ログや迷い、臨床で学んだことも交えながら、身体を責めずに次の一歩を考えるためのヒントをお届けします。

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